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耕地の緒
パネルに石膏地、油彩、岩絵の具、水干絵具 1303×3240mm
2016
“小菊かぼちゃ”は会津地方で古くから食べられてきた伝統野菜。
かつては各家の軒下に、冬を乗り越えるための保存食として並べてあった。
絵の上部には軒下を描いている。
雪が降りそそぐ東北の厳しい冬、小さなかぼちゃからは種が漏れ、畑に落ち、実をつける。
取材中、一組の農家の若い夫婦に出会った。
小菊かぼちゃの種を受け継ぎ、今年で3年目の収穫だと話していた。
畑で収穫をする母親の傍らで遊ぶ子どもの姿が印象的だった。
作品の中で絡まりあう茎はへその緒のようで、その先には胎児を描いた。
かぼちゃに纏わる古くからの歴史と、今を生きる若い家族のエピソードが混ざり合う。
厳しい冬を力強く生きる人々の生命力、収穫する喜びは、昔もいまも変わらないものだ。
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